砂上の賃貸 -18ページ目

先週と今週のモーニング

毎週感想書こうと思っていたのに他のこと調べたり読んだりしていたら先週分を書き損ねてしまったので2週間分まとめて。


2005/1/27発売 9号

・スリーストライクス
モーニング生え抜き期待の星ツジトモの待望の新作読み切り。
野球を舞台に地味ながらもカッコイイ主人公を描くシリーズだが、今回もレギュラーをすでに若手に譲ったベテラン選手のプロ意識をカッコよく描いて面白かった。地味だけどまとまりよく上手に描かれていて満足。このシリーズはぜひ9話分描いて単行本化して欲しいところ。そしてさらに違う作風のものも読んでみたい。

・まなびや
こちらも読み切り。悪いとまでは言わないが、やや中途半端な終わり方でイマイチ。ライバルの先生の方がキャラとして魅力的だった。

・クッキングパパ
最近のクッパパで頻度の高い、ほのぼの絵柄でドロドロ内容シリーズ。正直このシリーズはキモ楽しい。フラれた彼女の唇を思い浮かべながら

  「やわらかかったなー あったかかったなー」

とか、真っ暗なバックに

  「わかってるもうダメなんだ……
   すっごく大事なものを失ってしまった」


といった「読むと元気になる!」のキャッチフレーズを真っ向否定するかのような暗い話がミスマッチな絵柄で描かれるのは面白すぎ。この前は「好きだった彼女持ちの年下の同僚にデートに誘われて舞い上がるも途中で自分が惨めになって帰って泣く話」なんてのもあったし、この路線は妙な生々しさがあって違う意味で楽しみでなりません。

・取締役島耕作
島コー取締役編最終回。11月から再開かと思ったら11号からの読み間違いだった。1週間休むだけですね。中国人のチンピラに襲われてズタボロでゴミ捨て場に横たわりながら娘に祝福されるという締め方はさすがヒロカネというか。オヤジドリームの髄を極めつつも最後に落とすことも忘れないそのあざとさはさすが。ネタとして笑えないくらい嫌いな人はそこもまたムカつくだろうな。

<総括>
ツジトモ久々に読めたのでそれだけでよし。全体的には読み応えのない週だったけど。


2005/2/3発売 10号

・不思議な少年
いきなり朝から通勤電車で泣かされそうになった。話の筋やテーマを言葉で書いたら簡単だし普通に描いたら陳腐になりがちなものを、見事な構成と演出の力で実感あるものとして心に強く伝える素晴らしい傑作だった。
とかそんな理屈っぽいこと考えることで泣くのをこらえました。

・ブラックジャックによろしく
これを不思議な少年の次に持ってくるのは結果的に作者へのイジメ、と言いたくなるくらいダメ。センセーショナリズムの悪しき見本のような薄っぺらさ。

・はるか17
基本的にベタな内容が多くてあまり好きじゃないけど、やっぱり山崎さやかは女の負の感情を描かせると魅せてくれる。

・働きマン
わりと面白かった。まあ最後に「やりたくてやってんだ」で頑張って無事終わるのはきれいすぎって感もあるけど、途中のエピソードの積み重ねのところがよかった。

・ベスティア
天海僧正の「死にたくなくなり申した!!」に笑った。いや、俺だって死にたくないし。

・とべない金魚
新人読み切り。話も見せ方もヒネリのない内容だったけど、少なくとも読んで不愉快になることはなかった。普通に読める。

<総括>
今週は何と言っても不思議な少年に尽きる。この1作だけで今年のベスト1候補にしたいくらいよかった。気が早すぎるか。
働きマンもわりとよかったし、読み切りは今週に限らず古き良きモーニングの進んでいた道に戻ろうとしているようで昔からの読者としては嬉しい。
ちなみに今年から就任した新編集長はアフタヌーン編集長時代ののインタビューで

 他の雑誌は、「こういう作品が売れているからウチもこれを出そう」というマーケティング的な作業をしていると思います。うちはマーケティングの「素」を作るんだという気持ちでやっています。

 マンガに一番大切なのは、感情や経験をどう表現してどうやって読者に伝えるかということです。まずは自分を見つめなおすことを作品作りの第一歩として、オリジナリティを確立してマンガを描いてほしいと思います。


http://web.archive.org/web/20030812135937/http://www.mangatown.mainichi.jp/press/p11/contents/01.html より引用)
とマンガ読みの心をくすぐる発言をしていて、とても期待してしまう人です。

「それはちょっとまずいだろ」なものいろいろ

先日トラックバックをくれたちりんのblogの本サイトで総理が愚痴blogを始めたというフィクションネタをやっていたのですが、正直かなり笑いました。
そしてさらに笑ったのが、過去に実際にそんな日記を公式サイトで公開していた国会議員がいたという話。
http://www.mypress.jp/v2_writers/reiko_kato/story/?story_id=892389

で、こういう「それ書いちゃちょっとまずいだろ」的なものはどこにでもあるわけで、今回は、職業別にそれまずいだろなものを列挙してみようかと思います。もちろん以下は一部のリンク付きのものを除いて全てフィクションであることをあらかじめ記しておきます。


・コンビニ店員が、毎日のように今日食べた廃棄食材を記している。

・秘伝のスープがウリのラーメン屋店員が「ま、最近は仕込み追いつかないから市販のだしの素使ってんだけどね」と暴露。

・タクシー運転手が「感じの悪い客だったのであえて渋滞している道に突っ込んで1000円ほどよけいに稼いでやった」などと書く。

・バス運転手が「バス停を出た瞬間、バックミラーに手を挙げて走ってくる人影を見たような気がするが無視。断固無視。幻覚。いちいち待ってられるか」などと書く。

・土木作業員が「コンクリなんて水増ししたくらいがちょうどいいんだよ、うちらも楽だし、安くあがるし」などと書く。

・美容師が「よく人気の美容師さんが斬新なカットを編み出したりしていますが、私もたまに斬新なカットをすることがあります。それは、ちょっとミスっちゃったとき。うっかり切ってしまったものはどうしようもないので、『お客さんならこんな感じのほうが似合うので、軽くアレンジしてみました』などと言って斬新さをアピールします。美容師にとって話術は腕と同じくらい大事なんです」などと書く。

・教師が「生徒の○○は日頃から生意気で気に食わないので、クラスのボス格の××と不仲になるように仕向ける。適度なイジメで世の中の現実を知らしめることも学校の役割だ」などと書く。

・消費者金融従業員が「今日も一日催促の電話。いい加減疲れる。この際だから書きますが、借りた金を返せない人間はクズです。こんなことも守れない人は社会の中でまともにやっていけるわけがありません。自己破産の手続きをするより、練炭を買いに行くことをおすすめします」などと書く。

・漫画家が「先週も急病で休んでしまい、ほんと申し訳ない。早くドラクエ病から全快して漫画を描きたいと思います」などと書く。

・漫画編集者が「○○先生はね~、最近もうずっとスランプで煮詰まっちゃって、私が全部ストーリー決めてるんですよ。ほんと困ったもんです」などと書く。

・TV局関係者が「まあみなさんご存じとは思いますが、司会のOさんはヅラっす。あと、あの人のコメントが番組の人気の一端なのですが、実際は制作会議の打ち合わせで全て決められていて、ほとんどは上の指示です。まあ、名役者ってことっすね」などと書く。

・プログラマがソースコードに
/* 設計の××のしりぬぐい。このせいで2徹。しかも残業代ゼロ。氏ね */
などと記入。

・報道記者が「イラクで誘拐被害に遭った日本人に「自己責任だ」「飛行機代を出せ」と言い放ったこの国の世論は、記憶に新しい。地震や津波の被災者にも同じことを言わなくては、一貫性がないんじゃないのか?」と書く。

・「新発売の家電品が売れてます」という記事についた写真で、その製品を買ったことをアピールする男性がなぜか報道許可証のようなものをつけている。

・不具合多発の噂が飛び交う新作ゲーム機のメーカー社長が「それが仕様だ」と豪語。

繰り返して書きますが、以上はリンク付きのものを除いて全てフィクションであり、実在の人物・団体・職業等とは一切関係がございません。

カギカッコつきの「差別主義者」~ガ島通信さん憤る~

まずは、先日あったこのニュース。
<都国籍条項訴訟>管理職受験拒否は合憲 最高裁が逆転判決

多くのメディアがトップニュースで取り上げていたのでほとんどの方がご存じだったとは思いますが、どうもテレビで流れた原告女性の記者会見はかなりヒステリックな内容だったようで、それを見たガ島通信さんがブチギレ。
自分はこの記者会見を実際に見ていないのですが、ガ島通信さんを始めとしていくつかのサイトを読む限りでは、まあ、自分の中にあるステロタイプな韓国人イメージの範囲で、彼らは怒りの感情を表に出すととたんにヒステリックになるし想像つくなあ、というのが個人的な感想。ま、「またかいな」くらいのものです。

しかしガ島通信さんは、おそらく彼自身がリベラルで良心的な人だからこそキレてしまったのだろう、「私は昨日から『差別主義者』になりました」という、彼が現役地方紙記者であることを考えるとあまりに衝撃的な言葉をエントリの締めに書くほどのショックを受けてしまった様子。

もちろんここで言う「差別主義者」とは、文脈を読めばわかると思いますが、ガ島通信さんの「自分は在日の方々のことについて基本的には理解しているつもりだし、原告の人の気持ちも分からなくもない。だからと言って『日本は哀れな国』とまで言われて、それでも甘んじなければならないのか。その言葉に怒りや反発を覚えることすら差別となるのならば、自分は『差別主義者』と呼ばれても仕方ない」という思いが込められたカギカッコ付きの言葉でしょう。そして、ガ島通信さんの文章からは、あえて強烈で感情的な言葉を吐きだした事への強い覚悟が伝わります。

個人的にはナイーブに過ぎるかなとも思いますが「在日の方々は被差別者であり、彼らのことを最大限理解しなければならない」という「良識」によって負の感情を抑えていたことからの反動と考えればしごくまっとうな感情の発露であるし、ただ感情をむき出しにするのではなく、差別問題に対してキレイゴトでごまかすのではなく感情の存在を直視して一ジャーナリストとして向き合おうという姿は素晴らしいと思います。頑張れ。超頑張れ。

今後ガ島通信さんが、なぜこの種の差別問題がマスメディアでタブーとされるかについてジャーナリストの側から深く切り込んでいったらもう最高ですが、さすがにそれを望むのは図々しいので、とりあえずは今回の件をきっかけに今後も継続してこの種の差別問題についての話が続くことを期待しています。「差別は悪い」で思考停止するのではない、現実的な議論がリベラルなガ島通信さんで行われるのはとても有意義だと思います。元々右寄りな人が言っても残念なことに「ウヨ/サヨ」論争に回収されるだけのことが多いですからね。

あと、ネットでのステロタイプな在日イメージをいい意味で覆してくれる人たちのブログのリンクも貼っておきます。被害者意識に染まっていないこういう人たちと実際に接点を持って対話することが一番の差別解消になるのは間違いないだけに、こういう人たちの言葉がもっと伝わればいいなと思います。

コリアン・ザ・サード
在日コリアン、おきらいですか?


追記:本文で今回の判決については特に触れていませんが、今回の最高裁判決は、各自治体による裁量を容認するという判断であって、これを差別問題に結びつけるのは問題のすり替えであると自分は考えております。

最近のニュース小ネタ

朝青龍V王手も笑えぬ独り旅/初場所
http://www.nikkansports.com/ns/sports/sumo/p-sp-tp1-050121-0003.html
日本の新年の伝統行事には福笑いというものがあったことを思い出させる写真ですね。

赤十字は「あかじゅうじ」 小学生の漢字読み書き調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050127-00000175-kyodo-soci
本文冒頭の

 小学2年生の4人に1人は「犬」を「☆」と書き

を読んだ時点で、「おい、最近の子供はのび犬どころの騒ぎじゃないな」と思った人が4人に3人はいたと思われます。確かに形は似てるし。

2004年度ダメ映画を決める「文春きいちご賞」が日本映画を斬る
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050127-00000007-flix-ent
まあ、ネット上で「北京原人を越えた!」「いや、死霊の盆踊りすら越えた!」などと話題騒然だったアレが予想通り1位だったわけですが。ちなみに2位はキャシャーン、3位はハウルの動く城だそうですが、1位が強すぎですね。毎日インタラクティブの映画評では

 この映画を見た後では、「キャシャーン」のうっとうしいほどの青臭さが好もしく思えた。(原文ママ)

とまで書かれていましたので、2位に大差をつけての圧勝だったことが伺えます。

「フライドチキンの中から虫」 腹を立てた客が大便まく
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/01/28/20050128000069.html
韓国はブロードバンドのインフラ整備より先に下水インフラを整えたほうがいいのではと強く感じます。2度とこのような悲劇を繰り返さないためにも。

家の中でわいせつ行為~「自宅は公共の場所ではない」と逆転無罪
http://www.excite.co.jp/News/odd/00081106908208.html
カナダでの事件らしいですが、

 女性は夫にクラーク被告のことを警告し、明かりを消した寝室から夫婦でクラーク被告を10~15分に渡って、双眼鏡と望遠鏡を使用し観察した。

 被告人は自分が、27メートルから45メートル離れたプライベートな寝室という場所からS夫妻によって、見られていたことに気が付いて居なかった

この判決を受けて、被告人に逆告訴を促す弁護士が出ても不思議じゃないですね。

山田ボイスで架空請求業者を撃退

昨日ニュー速で知って爆笑。

発端のサイト架空請求ってどうよ?

上記サイト管理人ヴェル氏と架空請求業者山田の会話音声(明らかにアレなほうが山田)

この山田ボイスのあまりのインパクトによって山田祭りが起こる。
山田ボイス発生器も誕生。
http://anti.bne.jp/upload/updata/up0310.swf
http://daishin.s59.xrea.com/he-he-yamada.swf

この山田ボイス発生器を使って業者に突撃する者多数。(その一例)
その他、同様の物件が架空請求ってどうよ?のアップローダーに多数あります。

現在はむてきんぐ ◆1Z4VJYdCFs氏による突撃のネタを中心に大盛り上がり中。
http://anti.bne.jp/news/voice/mking/mking_tousatu.mp3
http://anti.bne.jp/news/voice/mking/mking_akjimu01.mp3
http://www10.tok2.com/home/muteking/uranaikan2.mp3

いやー正直言って、面白いけど怖くて真似できないっすな。